石田信之さん、見ていてください。私はがんばります。
小さい頃の一番うれしかった記憶は妹が生まれたことだ。産婦人科で母の横にいる赤ん坊を初めて見たとき、不思議な気分になったのを覚えている。この世での一番の喜びは命との出会いで、そして一番の苦しみは命との別れである。死はただ悲しく、ただ苦しい。
しかし、生きている者もいつまでも別れを悲しむ余裕はなく、目の前の現実に向かわなくてはならない。生きる者はただがんばって生き抜くしかないのだ。石田さんとの出会いを意味あるものにするには、私はがんばるしかない。がんばってがんばってがんばり抜くしかない。
石田さん、私はがんばります。見ていてください。私はがんばり抜きます。
さようなら石田信之さん、今までありがとうございました。
昼過ぎにスマホで石田さんが亡くなられたニュースを見た。寝不足で朦朧としていた意識がはっきりして目が冴えた。
2月に息子さんが経営するゲストハウス「CROSS BORDER」に泊まり、石田さんの容体が思わしくないと聞いていたが、お別れの日は思ったより早く来てしまった。
『ミラーマン』を冷静に見るを石田さん公認のファンサイトにしてもらったこと、石田さんの著書『さよならミラーマン』にアイデアを採用してもらったこと、ファンミーティングでお会いしたこと、いろいろと思い出を作ってもらった。
石田信之さん、ありがとうございました。安らかにお休みください。短いお付き合いでしたが、本当に本当にありがとうございました。
石田信之さん、ガンは治る病気です
わがブログは『ミラーマン』ファンサイトなので主演の石田信之さんがアイドルだ。本来は「ヒーロー」だが今週のお題「アイドル」にちなんでそうしておく。
そのアイドルは今ガンと戦っている。石田さんのブログのコメント欄に、ガンを克服した男性に出会った話をこれまでに何度か書いた。詳しく書いたことはないので、これがいい機会ではないかと思い、記事にしてみる。
2010年8月、私は京都旅行をした。大河ドラマ『龍馬伝』放送中で京都市内のいたるところにあふれる「龍馬」の字。金閣寺、銀閣寺、仁和寺などのお寺をめぐり、妙心寺の敷地内にあるホテル「花園会館」に泊まった。その宿で沖縄から来た若いご夫婦に出会ったのである。
「僕はね、ガンだったんですよ。あと何年も生きられないって医者に言われてね」とご主人が語った。「それから食事の取り方とか勉強してね、マラソンで体を鍛えなおしてガンを克服したんですよ」。そして、ご主人はマラソンと坐禅を趣味にしているという。私が久留米の梅林寺で雲水(修行僧)と一緒に坐ったことがあると言うと、「え、梅林寺って厳しいお寺ですよね?」と驚かれた。梅林寺で一緒に坐る機会があったらいいですねと言って彼らと別れた。
これが石田さんのブログに何度か書いた話のいきさつである。今の石田さんの心は死への恐怖で真っ暗だろう。しかし、恐怖に耐えて希望の光を念じ続けるしか、心の闇に対抗する方法はない。奇跡は起こるかもしれない、起こらないかもしれない。
人はいつか死ぬが、石田さんはまだ早すぎる。『ミラーマン』を冷静に見るを石田さんに公認してもらってから、充実したネット生活を送らせてもらった。あのとき、ああ言っておけばよかったという悔いを残したくなくて、押しつけがましいと取られるかもしれないと思いつつもこのような記事を書いた。わがアイドル石田さん、がんばれ。