『ミラーマン』を冷静に見る

ーー鏡京太郎(石田信之)も「面白いですね!」と絶賛ーー

石田信之さんの死亡記事について思うこと

 昨日に続き、今日も石田さんが亡くなられたニュースがネットに掲載されている。「ミラーマン石田信之さん」という見出しを石田さんが見たら喜ばれるだろうと思った。

 植草教授の手鏡事件が報道されて以来、「ミラーマン」は性犯罪者の代名詞となり、石田さんも胸を痛めていた。石田さんがブログ「鏡の国から来た男」を始められたのも、ミラーマンの汚名を返上するためだった。

 ミラーマンは石田さんが演じたヒーローだと報道されるのは本家ミラーマンにとっていいことだ。しかし、それを喜ぶ本人はこの世にいない。

石田信之さん、見ていてください。私はがんばります。

 小さい頃の一番うれしかった記憶は妹が生まれたことだ。産婦人科で母の横にいる赤ん坊を初めて見たとき、不思議な気分になったのを覚えている。この世での一番の喜びは命との出会いで、そして一番の苦しみは命との別れである。死はただ悲しく、ただ苦しい。

 しかし、生きている者もいつまでも別れを悲しむ余裕はなく、目の前の現実に向かわなくてはならない。生きる者はただがんばって生き抜くしかないのだ。石田さんとの出会いを意味あるものにするには、私はがんばるしかない。がんばってがんばってがんばり抜くしかない。

 石田さん、私はがんばります。見ていてください。私はがんばり抜きます。

さようなら石田信之さん、今までありがとうございました。

 昼過ぎにスマホで石田さんが亡くなられたニュースを見た。寝不足で朦朧としていた意識がはっきりして目が冴えた。

 2月に息子さんが経営するゲストハウス「CROSS BORDER」に泊まり、石田さんの容体が思わしくないと聞いていたが、お別れの日は思ったより早く来てしまった。

 『ミラーマン』を冷静に見るを石田さん公認のファンサイトにしてもらったこと、石田さんの著書『さよならミラーマン』にアイデアを採用してもらったこと、ファンミーティングでお会いしたこと、いろいろと思い出を作ってもらった。

 石田信之さん、ありがとうございました。安らかにお休みください。短いお付き合いでしたが、本当に本当にありがとうございました。

パイロット版『ミラーマン』を冷静に見る

 出生の秘密を知りショックを受けた鏡京太郎(柴本俊夫)を、エミ(南沙緒)が探しに来た。

京太郎 「ごめんごめん」
エミ 「心配したわ」
京太郎 「もう大丈夫」
エミ 「さ、行きましょ」

 エミは手を引いて、ベンチに座っていた京太郎を立たせる。

「どっこいしょ」

 伝説のアイドル南沙織に「どっこいしょ」と言わせた『ミラーマン』の功績は偉大である。

 ※ 柴本俊夫、南沙緒は、番組の表記に従いました

石田信之さん、ガンは治る病気です

 わがブログは『ミラーマン』ファンサイトなので主演の石田信之さんがアイドルだ。本来は「ヒーロー」だが今週のお題「アイドル」にちなんでそうしておく。

 そのアイドルは今ガンと戦っている。石田さんのブログのコメント欄に、ガンを克服した男性に出会った話をこれまでに何度か書いた。詳しく書いたことはないので、これがいい機会ではないかと思い、記事にしてみる。

 2010年8月、私は京都旅行をした。大河ドラマ龍馬伝』放送中で京都市内のいたるところにあふれる「龍馬」の字。金閣寺銀閣寺、仁和寺などのお寺をめぐり、妙心寺の敷地内にあるホテル「花園会館」に泊まった。その宿で沖縄から来た若いご夫婦に出会ったのである。

 「僕はね、ガンだったんですよ。あと何年も生きられないって医者に言われてね」とご主人が語った。「それから食事の取り方とか勉強してね、マラソンで体を鍛えなおしてガンを克服したんですよ」。そして、ご主人はマラソン坐禅を趣味にしているという。私が久留米の梅林寺で雲水(修行僧)と一緒に坐ったことがあると言うと、「え、梅林寺って厳しいお寺ですよね?」と驚かれた。梅林寺で一緒に坐る機会があったらいいですねと言って彼らと別れた。

 これが石田さんのブログに何度か書いた話のいきさつである。今の石田さんの心は死への恐怖で真っ暗だろう。しかし、恐怖に耐えて希望の光を念じ続けるしか、心の闇に対抗する方法はない。奇跡は起こるかもしれない、起こらないかもしれない。

 人はいつか死ぬが、石田さんはまだ早すぎる。『ミラーマン』を冷静に見るを石田さんに公認してもらってから、充実したネット生活を送らせてもらった。あのとき、ああ言っておけばよかったという悔いを残したくなくて、押しつけがましいと取られるかもしれないと思いつつもこのような記事を書いた。わがアイドル石田さん、がんばれ。

最終話「さよならミラーマン」を冷静に見る

 インベーダーを全滅させた京太郎を御手洗博士が迎えに来る。そこへミラーマンの父が現れ、二次元の世界を再建するため、京太郎の力を借りたいと言い出す。

ミラーマンの父 「御手洗博士、お願いいたします。どうか京太郎を……」
御手洗 「わかりました! 喜んでお返しします!!」

 コラコラ、勝手に返事するんじゃない。
 京太郎は朝子に別れを告げ、二次元の世界へと旅立つ。

京太郎 「ミラー・スパーク!」
朝子 「京太郎さーん」
御手洗 「さようなら、京太郎くん」

 夕焼けの彼方に光が消えていった。
 しかし京太郎のことだから、なんかの間違いですぐ戻ってきそうだ。